「トリフィド時代」書評。生死に直結する選択を迫られながら、生き延びて社会を再建しようとする人類ってたくましい。

 

ある晩、地球が流星群の中を通過する。

輝く空、すばらしい光景。

けれど流星群を見た人たちは、視力を失ってしまう。

 

ごく一部の視力を失わなかった人たちが、今後の生存と文明の担い手。

だが、疫病も発生する。

さらには三本足の植物「トリフィド」が自由に動き回るようになり、毒で人々を襲う!

人類滅亡の危機!

どうなるのどうするの?!

 

「トリフィド時代」

まるで映画を見ているみたいに、読んでいる間中、楽しかったです。

 

生き延びた人たちのグループができてくるんです。

常に選択を迫られるのね。

視力を失った人たちを「できるだけ多く」助けようとするのか。

それとも、見えている自分たちが「世話をできる範囲の人数で」やっていこうとするのか。

 

前者の「できるだけ多く」は、実現不可能な理想論なんです。

必ず起きる最悪の事態を先延ばししているだけともいえます。

 

後者の「世話をできる範囲の人数で」は現実的で、生存のための最適な答えでしょう。

だけど、人を見捨てざるを得ない苦悩も、より多く抱えるともいえます。

 

生死に直結する選択をし続ける。

考え続け、動き続けなければならない。

三本足の動く植物「トリフィド」とも戦って。

そのストレスたるや……

 

私だったら、どう行動できるだろうか。

視力を失うことを免れたとしても、恐怖に襲われて動けなくなってしまうのではないだろうか。

ドキドキしながら読みました。

 

と同時に。

どんな中でも生き延びて社会を再建しようとするようとする人類ってたくましいな、と希望も感じつつ読めました。

おすすめ!


トリフィド時代
ジョン・ウィンダム著
中村融訳
(私は【新訳版】を読みました)
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