「配慮」とは「制限をかける」と表裏一体。

 

新聞を読んでいて、はっと気づいたことがありました。

ある人の体験談です。

病気の診断は遅れましたが、「だからこそ、将来に制限をかけられずに済んだ」というのです。

そして、なりたい職業に向かって進んでこれたそうです。

その病気は、根本的な治療法がないそうです。

 

もし、もっと早くに診断されていたら?

思いきり勉強したり、なりたい職業に向かって努力することを、まわりが配慮として止めていたかもしれない。

 

有効な治療法がある病なら、はやく診断されたほうがよい場合もあるでしょう。

でも彼の場合、診断の有無にかかわらず、病気の進行は変わらないのです。

そう考えたとき、診断がなされなかったことで、「制限をかけられることなく思いきり目標に向かって進めた」という一面があったのではないかと思いました。

 

本人が特別な配慮を求めず、まわりも特別扱いしなかったことが、結果としてよかった。

この話から、配慮とは「制限をかけること」につながる場合もあるのだと気づきました。

 

最近、会社でも配慮の重要性が語られることが増えて、法整備も進んでいます。

生きていく上で、人はいろいろな事情を抱えています。

働きやすさのために「配慮」は必要です。

ただ、配慮が時に「制限」になり得るという視点も大切です。

 

「誰にとってもこれが正解だ」という答えはないからこそ、一定の基準を持ちつつ、よりよい方針ややり方を探し続けるのが必要だと思います。

 

 

「配慮」を例にして書いています。
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