予想や想像をはるかに超えて濃密ですごかった。
人間の矛盾、欲、性、現実、汚さ、熱…
人間を構成するあらゆるものが詰め込まれ、圧倒される。
人は自分以外の人に対して「自分の思う理想像」を当てはめようとしてしまう。
小説の登場人物に対してもそうだ。
読みながら、「あーっ!なんでその行動を!?」と思う。
しかし、「なんで」という問いは、「自分の思う理想像に人を当てはめようとする」から生まれるような気もする。
悲劇を利用する人たち。
それも、他の人の身に起きた悲劇を利用する人たち。
そういう姿にはもやもやするけれど、そのようにできることが生き抜くことにもつながっていると感じる。
しかも、自分の悲劇も利用する、いや生かすというべきか、できるのよね。
私は、人のどうしようもなさとか、どうしようもない状況で人がどうするか、などが描かれた小説がけっこう好き。
そんなどうしようもない人間が生きるために、生き抜くために必要なのは、希望だ。
すがる希望のかけらも失った時に、ぐんと死に近づいていく。
希望があれば生きられる。
小説世界にどっぷりと浸って、読んでいる間その世界に生きること。
この願望と希望を見事に叶えてくれる桐野夏生だ!
と喜び、読み終えたのでした。
おすすめ!
「バラカ」桐野夏生、著。
単行本と文庫と。
Amazon.co.jp:Customer Reviews: バラカ
Amazon.co.jp: バラカ 下 (集英社文庫) : 桐野 夏生: Japanese Books
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